【リヴィーネの手記】
村に戻ってきた。村に着いたばかりの時は真っ直ぐCaptain Ranaの所へ行き、それから村人の探索へ向かったためにこのノルドの村がどういう場所なのかよく分からない。
休息も兼ねて、村の様子を見て回ることにした。
最初に目に付いたのは、村の広場の中央に建つ彫像の前、Captain Ranaの執務館の正面で演説をしているノルドの女性。そういえばRanaが話していた。前captainのTillraniだ。
今の事態には対処できるから皆落ち着くようにと叫んでいる。
前任者だったから自信があるのか、Ranaがダンマーなので気が合わないのか、他に理由があるのか、とにかくTillraniはRanaのやり方が気に入らないようだ。
ところで、ちょうどよい機会だったので、Tillraniにパクトとは何なのか教えてもらった。馬鹿を見る目で見られたけど。
エボンハート・パクトの設立は十年前。アカヴィリの侵攻にさかのぼる。彼らを押し戻すために、ノルド、ダンマー、アルゴニアンが団結したのだとか。
アカヴィリとの戦争は終わったけれど、今はダガーフォール・カバナントとアルドメリ・ドミニオンと争い合っている。
私個人が何者なのかだけを忘れているかと思っていたけど、国を挙げての戦争について忘れているのでは、他に何を忘れてしまっているのか分かったものではない。まあ何とかなるかしら。
それから、私を発見してくれた人についても知ることができた。粉屋のHolsgarという人が、海岸に倒れている私を見つけて運んでくれたらしい。見つけられたら礼を言わなければ。
村にある大きな施設は、商工業を集合させた場所みたいだ。ここからでもTillraniの演説の声が聞こえる。まあせっかくなので、寄ってみることにした。
こんなにたくさんノルドだけを見るのは初めてだ。といっても、私の記憶は1週間にも満たないけど。
銀行、鍛冶屋、服飾屋、飲食店、錬金術と付呪の設備など、小さな村かと思っていたら様々な設備が整っている。島の商業活動は全てここに集約しているのだろう。
どこか懐かしさを感じて、私は服飾屋の設備を借り、何となく集めていたジュートを精製し、帽子と靴を縫い上げてみた。そのままでは目立つ色だったので、染料で暗色に染め上げる。自分にこんな技能があったとは驚きだ。過去の自分が服職人だったとは思わないけど――隠密戦闘が得意な服職人なんていないだろうし――裁縫の経験はあったのかもしれない。
ちなみに、どうやらこの村の人々は私を漂着者として認識している。さらに言えば、浜辺に倒れていたので全く服が濡れていなかった奇妙な漂着者だ。
私を浜辺から引き上げてくれたHolsgarとも会うことができた。
なぜあんな状態になっていたのかを尋ねられたが、死して魂がモラグ・バルのコールドハーバーに囚われていたが脱出したなんて言っても信じてもらえないだろうから、お茶を濁しておいた。
全体的に見て、この村は寒いがのどかないい場所だ。しかし防衛は弱い。
見知らぬ私を解放してくれた恩人達の村なのだから、その危機を見て見ぬふりは絶対にすまい。
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