町を歩いていると、また預言者の幻影から呼び出しがかかったので、彼の停泊所へお邪魔した。
相変わらず預言者は謎かけのように話すが、とにかく、Lyris Titanbornの居場所を探し当てたようだ。
彼女は鍛治場にて、モラグ・バルの軍勢のために武器を鋳造させられているらしい。あの高潔な人に、なんというひどいことを。
どうしてそんなことが分かるかというと、預言者はコールドハーバーでモラグ・バル自身からの拷問を受けている際、図らずして、両者の精神の間につながりが生じてしまったらしい。もちろんモラグ・バルはそれをよく思っていない。
今回私がコールドハーバーに侵入する際は、預言者がモラグ・バルの注意を引きつけてくれると言う。危険なことだ。無理はしないでほしい。
ということで、私はこれからコールドハーバーへLyrisを救いに行く。星霜の書が五人の仲間達と私の運命が複雑に絡み合っているというのであれば、まだその一人にしか――死ぬ前にマニマルコに会っているなら二人だが――会っていない状態で死ぬことはないだろう。二人で無事に帰ってこられることを祈る。
転移先の鍛冶場は、暗鬱として嫌な雰囲気の場所だった。
人々は無気力な様子で、淡々と鍛冶仕事をこなしている。
亡者のように蠢く人々の中にLyrisはいた。どうやらモラグ・バルに記憶、意志力や勇気といったものを全て奪われてしまったため、拘束されていないのに脱出できずにいるらしい。
奪われたLyrisの心の欠片は彼女自身の恐怖と痛みの記憶とともにこの鍛冶場の各所にあるので、一人では立ち向かえないと言う。
一人では駄目でも、二人なら。今度は私がLyrisを救う番だ。
私はドレモラの看守をなぎ倒し、Lyrisを連れ出した。
でもLyris、あなた、素手でドレモラに殴りかかるなんて、今のままでも十分強いんじゃないかしら?
まず見つけたのはLyrisの両親の墓。そして幼少期に暮らしていた家。
そこでは彼女の父親がドレモラに殺されようとしていた。もちろん看過するわけにはいかない。Lyrisと私は戦い、ドレモラを撃退した。
どうやらLyrisは、自分が傭兵となるために家を飛び出した後に父親が殺されたことも、自分が生まれた際に母親の命を奪ってしまったことも自分の責任だと思い後悔していたようだ。
しかし、父親はLyrisと話をし、母親のこともLyrisのことも愛していると伝え、前に進むよう言い、消えた。どうか安らかに。
Lyrisは後悔を乗り越えられたようだ。
次にたどり着いた場所は、彼女がかつて所属していた兵団の野営地。ここで彼女はのけ者にされ、陰険な扱いを受けていたそうだ。
野営地の兵士達が彼女の鎧を隠したと言っていた。私はその兵士らを打ち倒し、鎧を見つけ――彼女の体躯に合った、巨大な鎧だった――、Lyrisに返してあげた。
自分自身の鎧一式を身につけた彼女は、よりらしく見えた。
先に進むと、五人の仲間の一人、Abnur Tharnの幻影が現れた。Lyrisは彼を嫌っているようだが、彼は彼女の斧の在り処を指し示してくれた。
憎しみは戦士の心を曇らす、と彼は言った。
Lyrisの憎しみが理由のあるものなのかは分からないが、どうやら彼はマニマルコの味方らしい。が、手助けをしてくれた。
とにかく、Lyrisは彼女の得物を取り戻し、ずっとしっかりしたようだ。
デイドラをなぎ倒し進んでいると、五人の仲間の一人、Sai Sahanが拷問にかけられている影が見えた。マニマルコが王者のアミュレットの在り処を聞き出そうとしているらしい。
彼とLyrisは友人だったようで、彼女はとても動揺しているようだったが、どこにいるのかも分からない彼をやみくもに探すよりは、預言者に今見たことを言って、どうすべきか助言を仰ぐ方がいいという意見を聞き入れてくれた。
最後の場所で、彼女に恐れの感情を感じさせていた巨大な目玉のようなモンスターと戦うことになった。一人では倒せなかったかもしれないが、勇気を取り戻したLyrisの助力もあり、打ち破ってタムリエルに戻ることができた。
Lyrisと共に預言者の停泊所へ無事に戻って来ることができた。
Sai SahanとAbnur Tharnの影を見たことについて報告すると、預言者もAbnurはマニマルコの側についているものだと思っていたようだ。
ちなみに、モラグ・バルがLyrisに脱出の可能性を残していたのは、デイドラの王の傲慢か、大いなる策略の一つなのか、定命の者には理解できない理論によるものらしい。
とにかく、これからLyrisはコールドハーバーで受けた傷を癒し、預言者はSai Sahanの居場所を特定するための瞑想に入るようだ。
うまくいくことを願う。
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