2015/09/19

ESO 16 虫だらけの町

【リヴィーネの手記】

 せっかくDavon's Watchに戻ってきたので、一応顔馴染みになったTanval Indorilに挨拶をして行こうとふと思い立った。
 直接お会いしようと思っていたわけではない。召使いの一人に頼み、当たり障りのない言葉を伝えてもらおうと思っただけだ。
 しかし、Indoril邸に行くと、まるで待ち構えられていたかのように――無論そんなことはないだろうが――詰め寄られ、頼みごとをされた。
 あの日に召喚したBalrethをAsh Mountainの深淵へ返すべく、彼の息子のGarynが山へ行きその任務に就いているが、まだ戻ってこないと言う。
 あれの召喚には私も係わった。知らない人でもないし、調べに行ってみよう。
 ちなみにBalrethとは、「争いの兄弟(the Brothers of Strife)」と呼ばれる、古代の魔術による絶対的な力を持つ二つの存在の一つであるようだ。



 Davon's Watchからグアルに乗って道沿いに西進していると、一つの町にたどり着いた。いや、町の跡と言った方が正確か。
 Senieというこの町は、火山の噴火とshalkにより壊滅していた。


 倒れ伏し苦しんでいる人達もたくさんいるというのに、この町ではダンマーとアルゴニアンの間に確執があり、思うように救助活動が進んでいないらしい。
 ダンマーにはアルゴニアンを奴隷として使役していた歴史がある。あの戦場で幽霊のアルゴニアンが言っていた通り、その軋轢は容易に解消されるものではないのだろう。
 ノルドから、Soft-Scaleというアルゴニアンなら火傷に効く軟膏を作れるため、その材料となるshalkのキチンを集めてほしいと頼まれた。
 こんな惨状にある町を放っては行けない。



 shalkは炎を吐く危険な虫だが、我々ダンマーは炎に対する耐性があるので、気を抜かなければ戦士にとってはそれほど恐ろしい敵ではない。


 殺してそのキチンを剥ぐのは、油断せず一匹ずつ挑めば容易いことだ。


 shalkを狩っていた途中に、Drelden Ornというダンマーに声をかけられた。彼はkwama鉱山を所有しているのだが、この災害によりkwama workerが外へ逃げ出してしまったらしい。
 落ち着いている時に特別な笛の音を聞かせれば鉱山に戻るよう訓練してあるが、今は気が立っていて狂暴化しているとのこと。
 可哀想だし、kwamaのworkerなら大して強くはないため、助けてあげることにした。




 ちょっと小突いてから借りた笛の音を聞かせると、kwama worker達は自らある方向へ向かっていった。鉱山があると聞いていた方向だ。効果がなければ人を襲う狂暴な動物として殺さなくてはならないところだったので、よかった。



 必要数キチンが集まったので、Soft-Scaleに声をかける。アルゴニアンしかいない避難所で、ダンマーである私は忌避されるかと思ったが、少なくとも彼は普通に接してくれた。よそ者だからだろうか。
 材料さえあればすぐ作れるものだったようで、火傷を和らげる軟膏をすぐに作ってくれた。そして、ダンマーの負傷者には私から治療を施すよう頼まれる。
 ここのダンマーはアルゴニアンを信用していないため、私にやってほしいそうだ。




 火傷に苦しんでいる人達にSoft-Scaleの軟膏を塗ってあげると、倒れて苦しそうに呻いていた人達はいくらか元気になり、少なくとも避難をできるまで体力が回復したようだ。すごい効果の軟膏だ。




 苦しんでいる人達に軟膏を塗ってから、Soft-Scaleに頼まれた通り、Spellwright Girvasに会い、彼の軟膏で多くのダンマーが救われたことを伝えた。しかしGirvasはアルゴニアンに対する疑惑を露わにし、軟膏を作ったことすら姦計であると言う。なぜそんなに疑心に満ちているのかを尋ねると、彼の娘がアルゴニアンに誘拐・監禁されていると言われた。Soft-Scaleの印象から判断するに誤解だと思われるので、彼の娘の捜索を申し出た。おそらく、娘がいなくなって気が立っているのだ。無事が判明すれば理性的な話し合いができるようになるだろう。



 Walks-in-Ashというアルゴニアンが娘を見ていたのを目撃していると言っていたので、彼女の話を聞くことにした。


 Girvasの娘MorvaniはAsh Mountainの麓に行く習慣があり、町の西へ歩いて行くのを見たと言う。噴火と溶岩のせいで帰れなくなっているのかもしれない。
 それから彼女は私に、Morvaniを見つけた際の合図のために閃光玉をくれた。



 溶岩に四方を包囲された碑の前で途方に暮れている女性を見つけた。



 これは三柱の祈祷所で、亡き母親のために祈りに来ていたのだが、足を挫いて帰れなくなってしまっていたという。
 閃光玉を空に投げて合図を送るとWalks-in-Ashがやって来た。その後に続いてGirvasも。どうやら、Walks-in-Ashを疑い後をつけていたようだ。


 GirvasにWalks-in-Ashの助力なくしては娘を見つけられなかったと伝えたが、それでもアルゴニアンへの疑心と憎悪は消えないようだ。話を聞くに、彼の妻はアルゴニアンの逃亡奴隷のせいで殺されたらしい。やはり種族間の禍根は根深いのか。
 しかし不本意そうではあったが、アルゴニアンを少しは認めてくれたようだ。一歩でも前進できたのであれば、それは喜ばしいことだろう。



 ちなみに、kwama達は無事に鉱山に帰ったようだ。よかった。


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