喋るカラスに侵入者だと言われた。今さらだが。 私は通行料を払わなければならないそうだ。生肉か銀で。
生肉だと、この林でコウモリを狩り、その肉を提供しなければならない。
銀だと、この林の遠くにある暗い洞窟まで行き、食い殺された犠牲者の銀でできた遺品を回収しなければならない。
私は隠密行動の方が好きなので、銀で通行料を払うことにした。
遺体から銀の矢やダガー、バックル、指輪を拝借して、黒羽の宮廷のカラスに献上した。
その貢献が認められ、私は宮廷の公爵と会う権利を得たそうだ。
「羽なきもの」と呼ばれた私は、その貢献に対する褒賞として、黒羽の宮廷のカラスを呼ぶホイッスルをもらった。これで彼らを呼べるらしい。
それから、いくらか話を聞いた。
カラスの母は彼らに話すことを教えたそうだが、愛想を尽かされたそうなので、彼女が亡くなったことに特に感慨を覚えていないそうだ。
よかった……のかしら?
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