2015/10/07

ESO 48 アッシュランダーとトライビューナル教団の対立を止めろ

【リヴィーネの手記】


 グアルとちょっと駆けていると、アッシュランダーの斥候に声をかけられた。
 開口一番に助けを求められたので余程のことがあったに違いないと思い、話を聞くことにした。
 彼らの部族に裏切り者が出て、Iliathのトライビューナル寺院を包囲しているという。賢女(wise woman)は、そのような酷い間違いを犯しているアシュカーン(Ashkhan)を説得するのを助けてもらいたいらしい。
 アシュカーンが賢女の助言に公然と反抗するなんて、何があったのかしら。
 とにかく、これは大家のダンマーとアッシュランダーの間の溝をより深めかねない事態のようだ。平和に収束できそうなら、それに越したことはない。



 斥候が言っていた通りの場所にて、アッシュランダーの野営地を見つけた。Kageshという部族だそうだ。
 当然ながら賢女のHedranna Kalikiは不信感を露わにしたが、あなた方の斥候に事情を説明され頼まれたのだと言うと、落ち着いてくれた。
 アシュカーンは、短気な部族の戦士達を扇動して、賢女が見ていない隙にトライビューナルの寺院へ行ってしまったらしい。
 賢女は、トライビューナル教団の僧侶達に自分達が敵ではないことを示すために、贈り物をしたいと言った。
 薬草やポーションを、アシュカーンが持って行った物資から取り返し、それを寺院へ持って行ってくれと。
 どうも最善の策のようには思えないが、このまま静観しているよりはマシだろう。
 なお賢女は最終的には、アシュカーンのZiddakに馬鹿げた行為を止めてもらい、平和に部族へ戻ってきてもらいたいそうだ。部族の者は皆彼女の子も同然だから。
 私もそのような結末を望む。




 私はアッシュランダーではないので、寺院は簡単に私を中に入れてくれた。
 内部には多くの負傷兵がいた。不毛なことだ。


 アッシュランダーの使者Farseer Tirinaatはアズラ像の前でオーディネーターと言い争っていた。
 オーディネーターはアッシュランダーを全員殺してしまえばいいと思っているようだ。
 Tirinaatに、アシュカーンの配下から取り戻した薬品を賢女からの贈り物として渡すと、それを用いて負傷兵を癒すことを頼まれた。私は治癒師。そういうのも得意だ。




 アッシュランダーの賢女からの贈り物であることを言い添えながら、私は薬で負傷兵の治療をした。
 何人かを死の淵から救えたように思う。



 寺院のCurate Brethisに、私がアッシュランダーの賢女の頼みにより、ここの死につつあった兵士達をアッシュランダーの薬で癒したことを伝えると、彼はとりあえず感謝してくれた。
 彼は賢女Hedrannaと知り合いで、同じく平和を望んでいるようだ。
 アッシュランダーとトライビューナル教団の間には長きに渡る血生臭い歴史がある。双方とも簡単には和解しないだろう。
 特に今の兵力差は拮抗していない。寺院はアシュカーンの軍勢に押されている。このままでは寺院側が負けてしまうだろう。
 平和への道を探るために、トライビューナルに祈ってお言葉を賜れないか試してみてほしいと言われた。
 確かに今必要なのは叡智だ。三柱に縋ってみるか。




 祈りを捧げると、アルマレクシアのしもべが現れてくれた。Disciple Sildrasに導きを示してくれたのと同じ方みたい。
 どうやらアルマレクシアは私が魂を盗まれた者であることも知っており、Discipleの助けをしたことを良く思ってくださっているようだ。
 このままではここにいる者は全員死んでしまうと訴えたが、使者は人は――私も含め――いつか必ず死ぬのだと諭してきた。
 ならば私には何もできることはないのかと問うと、使者は助言をくれた。寺院の地下にある礼拝堂へ行き、NerathrenとFaryonの骨壷から灰を取れと。そしてその灰を、北と南にある塔の麓にある永遠の炎へ振り撒けと。
 そうすれば彼らが、かつてこの地を守ることに命を捧げたオーディネーターの霊魂が現れる。戦って勝ち、彼らの敬意を獲得することができれば、再びこの地を守ることに手を貸してくれるという。


 礼拝堂に祀られていた遺灰を借り受け、それぞれを指示された通りの炎で燃やした。


 すると、それぞれのオーディネーターの霊魂が現れたので、二人ともを決闘で打ち倒すと、オーディネーターの幽霊の軍勢がこの寺院の周囲に現れた。二人が召喚したようだ。
 守りはこれで強化され、アシュカーンも簡単には攻めてこられなくなっただろう。





 Curate Brethisに事の次第を報告していると、急使が飛び込んできた。
 アッシュランダーは地下にあるトンネルを通って寺院内部に攻め込んできたという。
 争いたくはないが、むざむざ殺させるわけにもいかない。寺院のオーディネーターに協力しよう。
 そう思っていたところ、Tirinaatに呼び止められた。
 賢女が最後の頼みの綱として渡してくれたドゥーマーのアーティファクトがあると彼女は言った。賢女がそのアーティファクトに記憶させた内容を繰り返すことができる物らしい。
 どうやら、アシュカーンが賢女の意志に背いていると部族に知れ渡ると人々は二度とアシュカーンを信頼しなくなるため、これまで使用しなかったそうだ。難しい事情があったことは理解できる。今はそれを使ってでも部族を止めるべきだと判断した理由も。
 手遅れにならない内に急ごう。




 戦闘は既に始まっていた。
 私がオーディネーターのNethisに追いついた時には、既に数人のアッシュランダーが撃退されていた。
 彼から、つるはしを探して、トンネルに入り通路を崩落させ、アッシュランダーの進攻を妨害するように頼まれた。




 アッシュランダー達は、私を傷つけずに通すように言う賢女の幻影を見せると大人しく手を引いてくれた。
 しかしアシュカーンは降伏も妥協もしてくれず襲いかかってきたため、殺さざるを得なかった。
 トンネルを崩落させ、アッシュランダー達と共に外に出たところ、賢女が待っていた。
 彼女に一部始終を報告すると、彼女は冷静に見せながら、悲しんでいるようだった。
 どうやら、新たなアシュカーンに相応しい男性は今のところいないらしい。また、寺院に属する家の者達が報復をしようとしてくるかもしれないので、彼女らの部族はこの地を離れるそうだ。
 ここに通じる坑道は今私が崩したのだし、寺院側が状況を把握し体制を整えて追跡を開始するまではまだ時間がかかるだろうから、きっと逃げ切れるだろう。




 Farseer TirinaatはCurate Brethis以外の者の険悪な雰囲気に押されたようで、部族に合流していた。
 彼女にもアシュカーンを殺さざるを得なかったことを説明すると、嘆き悲しんだ。
 アシュカーンがこのような暴挙に出た理由は、彼の娘が町の衆人の前で殺されたにもかかわらずオーディネーターは看過し、しかもそれを抗議に行った息子も喉を裂かれたからだという。
 大家のダンマーとアッシュランダーの間の不和がまた深まってしまったようだ。このような結末に終わり、残念に思う。



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後書き
アシュカーンと賢女について
 アッシュランダーは部族(tribe)単位で遊牧生活をしています。
 その部族それぞれにおいて、指導者としてアシュカーンと賢女がいます。
 アシュカーンは男性がなり、強力な戦士として部族を率います。
 賢女は女性がなり、助言をアシュカーンや部族に与え、文字を持たないアッシュランダーの文化において伝承を後世に伝え、予言や魔法を行います。

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